巨星堕つ ~マクドナルド~
昼、町田市内某所のマクドナルドに行った。
いつものように0円スマイルを振りまくマックガール(マガ)とやたら俊敏なマックボーイ(マボ)に出迎えられ、私はチーズグラタンコロッケバーガーセット(ポテト・オレンジジュース)を注文した。
数十秒後、マガが爽やかな笑顔でチーズグラタンコロッケバーガーセット(長い)を手渡してくれた。
席にトレイを置き、食べる前に小用を済まそうと思いたち、私はトイレに向かった。
トイレの中は、小便コーナーと大便コーナーが一つずつと洗面台。地方のマクドナルドによくある男性用トイレだ。大便コーナーには誰かが入っている。
私は小便コーナーに赴き、排泄行為に至った。すると、大便コーナーから水が流れる音が聞こえ、何者かが出てきた。制服を着た一人のマックボーイである。そのマボは私の背後を通り、洗面台に向かった。
次の瞬間、私の全身に戦慄が走った。
マボは洗面台で水を出すと、コンマ1秒ほど手を湿らすと、そのまま水を止めて行ってしまった。
音にするとこんな感じである。
私は最初唖然とし、次に憤慨した。仮にも飲食業に携わる者として、世界のマクドナルドの一員として、というよりむしろ人間として、お前は脱糞した後に手を洗わなくて良いのか、と。しかも就業中で、しかも横で客が見てんだぞこん畜生、と。俺は脱糞後ですら手を洗わないような奴が作ったかもしれないチーズグラタンコロッケバーガーセットをこれから食うんだぞこん畜生、と。モガの笑顔もモボの俊敏さも台無しである。
切込隊長氏は『男女の差なく、人はうんこ前にも手を洗うべきである』という論考において、排泄行為の後だけでなく前にも手洗いをすることで、
と結論付けている。
また排泄後に関しても、
と言及している。このように、排泄行為の後には手を洗った方が良いというのは明らかである。ましてや飲食店で就業中の従業員であればなおさらである。
私は以前某老人ホーム内のレストランでアルバイトをしていた。お世辞にも良いアルバイトとは言えず、3ヶ月ほどで辞めてしまったが、衛生管理は非常に徹底していて、感心したものだった。出勤して着替えたらまず手を洗いアルコールで消毒し、トイレに行ったら手を洗いアルコールで消毒し、爪がちょっと伸びていたら爪を切り手を洗いアルコールで消毒したうえに爪切りもアルコールで消毒した。テーブルクロスも椅子もトレイも作業台もワゴンですらアルコールで消毒した。飲食店は斯くあるべきだと深く感じ入った。
もちろん、全ての飲食店がそこまで清潔なわけではない。表はきれいでも厨房はとても汚かったり、ゴキブリが這い回ってる店なんていくらでもある。かの有名な三田のラーメン二郎なんて鳩が店内を歩き回っている。毎年食中毒の多い夏には保健所の指導で営業停止になる。また、私の母校麻布高校の食堂の倉庫はゴキブリの巣窟となっており、文化祭や体育祭で使用するときにはバルサンを炊いて1日放置し、翌日ほうきとちりとりでゴキブリの死骸を掃きだす。それぐらいゴキブリがいっぱいいた。
(2005.5.7追記:今ではゴキブリは大量にいるわけではないし、バルサンも炊いてないんだそうです。メールでご指摘を受けました)
これらは極端な例としても、そんなに清潔にしていない飲食店はいっぱいある。
でも、マクドナルドは違うと思っていた。
だってマックってば、手洗いを徹底して清潔感を訴求するCMを打ってたよね?
『マクドナルドのアルバイトが最初に教わることは、手の洗い方です』とかなんとか言ってたよね?
高校生ぐらいのマックガールに手を洗わせる画を撮ってたよね?
じゃあ僕が今日目撃したマックボーイはなんですか?
脱糞後に、サニタイザーや石鹸どころか、水ですらろくに手を洗わないのはなぜですか?
海は死にますか?山は死にますか?
風はどうですか?空もそうですか?
教えてください。
原田永幸氏がCEOに就任して以来、様々な施策が功を奏し、マクドナルドの業績は向上しているらしい。
しかし、クリンリネスは飲食店のブランドアイデンティティの一角を常に占める要素であり、マスを相手にした食品を扱うビジネスにおいて、安全・安心・清潔を訴求できなくなったり、消費者に疑われたりすることは、ブランドロイヤルティを著しく傷つける要因となり得る。雪印然り、日本ハム然り、浅田農産然り・・・。
大組織の末端のモラルまで管理するのは確かに困難なことではあるが、それを成し遂げ、継続することでブランド価値が高まっていくのだろう。その点において、マクドナルドにはまだまだ改善の余地が残されているのではないだろうか。
とか考えながらチーズグラタンコロッケバーガーセット(長い)を完食した。ごちそうさまでした。おいしゅうござました。
・・・っていうか、手ぐらい洗えよバカ。

